~⑥終盤其の一・本試験編~
のらりくらりと勉強してきた約半年間の集大成。試験本番日。
試験は午後からだったので、午前中は暇を持て余していた。
暇つぶしに講師のくれた過去問を何気に解いていて、ふと思った。
「あー、直接原価計算と本支店会計、苦手だー。出たら全滅だろうな。」
ここまできて、あーだこーだ言ったところで何も変わらない。気を引き締めていくのみ。
試験開始直前、厠へ行き手を洗う。
そして右手小指に出来ていたペンダコが邪魔にならぬよう、そっと絆創膏を巻いた。
この絆創膏、実は勉強中の曲者だった。
手を洗った後に鉛筆握って書き始めると、絆創膏に含まれた水分が解答用紙にジュワっと滲んできやがるのだ。
いくら頑張って拭ってみたところで、コイツ(絆創膏)はどこ吹く風のようにジワジワ解答用紙に滲む。
このことを踏まえ、本試験では試験直前に絆創膏を貼ることと決めていたのだった。
それにしてもペンダコって、鉛筆を持つ中指とかに出来るイメージなんだがねぇ。
何故だか小指にこしらえとったんだわ。
ワシ、変な鉛筆の持ち方をしとるんだろうか(´‐ω‐`)。
ま、そんなことはどーでもいいや。いざ、試験会場へ。
朝に考えていたことは、虫の知らせだったのか、
商業簿記では「本支店会計」が、工業簿記では「直接原価計算」が出題されておるではないか。
自分の最も苦手とする論点が、わんさかてんこ盛りで出されており愕然とする。
仕方がないから、最善の努力をもって解答にあたる。
3級の時ほどの緊張感は、なかったように思う。
いや、あったのだろうが、試験中隣の人の鼻息が物凄かった(ふんがー!ふんがー!って、勢いよく鼻息出していた)ので、かえって自分は冷静になれた、という側面もあるかもしれん。
偶然居合わせた隣人に、感謝(-人-)。
すべての設問を解答するのに、1時間30分程かかり、残りの30分で見直しをざーっとして、試験終了。
解いた感想⇒なんか、難しかった。
正解を解答できた手ごたえが、まーったく、ない!こりゃ、不合格だな(´・Д・`)。チーン(沈)。
「第149回検定試験に受かるぞ!」と決心し挑んだ筈なのに、とても虚しく終わった気持ちがあったものの、試験は、終わった。
己の実力不足を悔いるよりかは、今後11月の試験に向けてぼちぼちやっていこうじゃないか、そう思っていた。
不思議とどん底にまで落ち込んだりはしていなかった。
むしろ今後の試験で「連結会計」や「税効果会計」が出題されるのだとすれば、そちらの方が愉しみでならないくらいだった。
この自分の状態をみた家族には、慰められるどころか、こう云われた。
「もはや、変態だな。」