日商簿記2級凡闘記その1- 合格体験記 –

~①序盤・きっかけを呉れた人々~

日商簿記3級の試験に無事合格し、ふぅっと落ち着いた講座の休憩時間のこと。
そろそろ、ココでの時間も終わるのだなぁ…と妙に感慨深くなりかけていた時、講師の方がニコニコしながら自分の元へやって来た。大量の本を携えて、こう言った。

ハイ、コレ。やりたいんでしょ。

それは、日商簿記2級のテキストと問題集、過去問だった。

にくきゅう…否、にきゅう(・ω・)?やりたいなんて、考えたこともない。2級商業簿記のテキストは、3級のものより厚みがあり、見た目からもおぞましかった。ワシ、3級の勉強で、何かに素直になることを学んだので、かくも素直にこう言った。

はぁ、2級、ですか。そんな難しいの、自分にはムリ、ムリ。

対して講師は、こう言った。

「3級取れたでしょー、その勢いで2級やり始めるでしょー。
初めのころはサクサク読めて、おっ!これはいける!って思うのだが、
後々地獄を見ることになるんだわ。キミ、そういうの、好きだろー。」

た、確かに嫌いでは、ない。
この間の講師と自分の間での宿題ラリーで、講師は自分の(ともすれば)ドM体質を解された模様であった。
そうか、地獄か。ふむ、まぁ、講座が終了するまでの間、そんな地獄を垣間見ることも、悪くなかろう。
講師が持っているテキストを講座終了まで、借りることにした。

他のクラスの人々には、講師から一言添えられた。

2級のテキストは●●が持っているから、視たかったらそっちに言っとくれ。

時折数名と眺める時間もありつつ、ほぼ自分が独占してしまっていた。
そしてちゃっかり、授業の合間を見て「まいのーと」を執りはじめていた。
好き勝手にやらせてくれたことは、本当に有り難かった。
そんな講座も終了し、簿記2級セット一式を講師に返却。もう、これでじゅうぶんである。そう思っていた。

後日、講座でのクラスメイトと逢って会話していた。皆無事3級に合格していた。
彼らは2級のテキストを購入したらしい。
「君もどうだね。」と言われ、一緒に勉強する機会があるのならそれもよしと、
ひとまず商業簿記のテキストと問題集を購入してみた。

講師に借りていた分の「まいのーと」の続きを書く日々が、始まった。
この先に視るであろう地獄を、どこか心待ちにしていた。