日商簿記2級凡闘記その2- 合格体験記 –

~②中盤其の一・商業簿記編~

2級の勉強を始めたのには、怖いものみたさに加えてもうイッコあった。
3級で簿記のあらましを習得できたのは大変ありがたかったが、どこか消化不良(物足りなさ、というべきか)を起こしていたから、である。2級の勉強を進めることで、それが解消するとよいなぁ、という思惑もあってのことだった。

3級の時の免疫がついていたからか、ノートを執ることは苦ではなかった。
元来文字を書くのは、嫌いでない。
講師の言ったとおりだった。確かに、初めは割とサクサクいけた。
2級の出題範囲に大幅なリニューアルがあり、一部1級の範囲のものもあがってくると聞いており、当然テキストにもそのテーマが載っていた。
見た感じ、一番重そうなテーマが、連結会計だった。

恐る恐るテキストを読むが、やはりなじみもないので連結会計にて、躓く。
「〇〇当期首残高」「〇〇当期変動額」「非支配株主持分」「〇〇に帰属する当期純利益」
はてな、なんですかい、これ。まぁーったく、わからねー(≧∀≦)。
これが地獄なのか。頭の回転が鬱蒼としつつも、ココロのどこかではワクワクしていた。

余談だが自分は3級学習時、「財務諸表」とは損益計算書と貸借対照表のみを指していると思っており(だって3級のテキストにそんな様なことが書いてあった)、

けっ!2つのモノをわざわざまとめて財務諸表なんて畏まって呼ばんでもえぇがな(´-ω-`)。

なんて鼻で笑う感覚でいたのだが、2級の勉強を進めるにつれ、「株主資本等変動計算書」なるものにでくわし、「財務諸表」にもイロイロあることを知った。
あ、すみません、決して見くびっていたなんてことはありません。平謝り。

ちょうど連結会計でモタモタしていた折に、例の講座のクラス飲み会が開催され、講師の方と再会した。
たまたま、隣に座っていたので会話したのだが、講師は開口一番ニヤニヤしながら聞いてきた。

仕訳、しているかい。

連結会計で、『わからん、わからん。』ともがいている姿を見透かしているかのような笑みだった。
それに自分は「ええ、お陰様で良い切っ掛けを与えて貰いまして。」とだけ答えた。
その日の講師との会話は、簿記に関してはその二言、三言のやり取りだけだった。
飲み会でやんわりした時を久々に過ごし、皆と別れた。

その後日テキストを開き、再び連結会計と向き合った時、何かが違った。

わかる。わかるじゃないか(・◇・)。

何故あれだけ苦しんでいたのかも想い出せないくらいにスラスラと練習問題が解けたのであった。
特に何をしたわけでもなく、いつの間にあのヤマ場を乗り越えていたんだろうか、と考えたところで、それこそ「まぁーったく、わからねー(≧∀≦)。」
すっかりひとヤマ越えたあとの爽快感(しかしどこかけだるさが含まれている)に包まれていた。

あの講師、なにか自分に魔法をかけたんでなかろうか…なんて、つい思ってしまった次第であった。
あの苦しみ、どこか心地好かった、とさえ思ってしまった。