日商簿記2級凡闘記その5- 合格体験記 –

~⑤中盤其の四・脱スランプ編~

試験において習得しておくべき論点を総ておさえ、試験1ヶ月半前にいざ過去問や予想問題を解き始めたのだが、ここへきて初めて、スランプに陥る。
集中力が持続しない、なんだかヤル気急降下。
どうしたことか、と自分に問い合わせてみても、明確な回答が出せなかった。
模試をやったところで、66点68点といった不合格点を記録するなど、芳しくない状況であった。

こういう時は、思い切って「簿記休暇」を取ることにした。
数日間は簿記をせずに別な何かに気をそらす。
漫画読んだり、ファ〇コンしてみたり。
この間の記憶は、あまりない。
ただ、総合問題はやっていなかったものの、どんよりする頭の中で、仕訳問題だけはやっていたような気がしないでもない。
忘却を恐れての事だろうか、置いて行かれるような気がしていたのだろうか。
なんだよ結局やっていたんじゃないかと、今思えば自分に呆れてしまう(笑)。

スランプ。生まれて初めて(言い過ぎ)の経験かもしれないな。
工業簿記では、地獄は視られず期待はずれな感触があったが、原因不明のスランプを経験することは、想像していなかった。試験の2~3週間前にみたのは、メンタル面での「地獄(と言うには大袈裟か?)」だった。
そこから如何にして抜け出したのかも、よく判っていないが、自分のことだから、「スランプに陥っている」ことに飽きてしまったのだろう、と都合よく解釈している。

どうにかして正気を取り戻したら、自分は相も変わらず、自分自身だった。
満点合格を目指すつもりは毛頭ない、と言いつつも、模試の獲得点数をみて、つい、頭をよぎってしまう。
『満点じゃ、ない。悔しい。』まったく、懲りていない。
一度くらいは満点、記録しておきたかったのだった。

試験半月前になっていた折に、再びあの方との再会があった。例の講座の、講師である。
クラスメイト4人組+講師の計5名で、飲みに行った。
皆、講師を慕っている。そういうお人柄なのである。
来る149回簿記2級検定試験を受験することを報告&ちょっとしたおねだりをしてみた。

自分が持っていない回の過去問、お持ちでしたら見せてくれませんか。

講師は快諾して下さり、自宅へ過去問のコピーを郵送してくれた。感謝…!
すぐさま御礼のお手紙とちょっとした菓子折りを添えて、

ありがとさんです!試験の結果をまた報告します!」と取り急ぎのお返事をした。

再三家族に対して「2級は70点合格で御の字だ。満点だなんて、厚かましくて狙えない。」と宣言していたが、模試結果を目の当たりにする度に頭に纏わりつく「満点」の二文字。
既にもうそんな事を言っていられる場合じゃないのだがね。
諦めかけていた折、講師が送ってくれた過去問を解いてみたら、はじめて満点が、でたのだった。
嬉しさを通り越して、数か月前に連結会計で「あわあわ」しまくっていた時と似たような現象が起きた事の不思議さに、驚きを隠せなかった。
講師に逢うと、なにか好い事が起こる。
ミラクル☆講師マジック」とでも呼ぶべきか。

・・・試験のほんの10日前の出来事だった。