日商簿記3級凡闘記その1- 合格体験記 –

序章

事務の仕事をするのなら、少しくらい会計の知識を持っていた方がよかろうかと考え、3か月の講座を受ける形で勉強を始めた。

会計の実務、知識、興味まるでゼロ。
数字や計算不得手。検定試験では電卓が使えるらしいことを知り、安堵。
さしずめ異国の地で見知らぬ料理を提供されて食べ始める時の

い、いただき、まーす…。

の声のごとく、不安満載でスタートした。

テキストを開いてみた。チンプンカンプン。
講師がサクサク説明していく。かりかた、かしかた、なんのこと(・∀・)?

これではついていけない、と自宅で自習時間を設けることに。

改めてテキストを読み直してみた。
とてもよく理解できた・・・気になった。

調子に乗って、一人でやるようになった。
試験は70点以上で合格らしいので、70点獲得を目指してやっていた。

ある日友人Aに、簿記の勉強を始めた旨、話してみたら、Aも数年前に3級を受検し、合格していた。
ヤツは92点で合格だったらしい事を知らされる。そしてAは、こう言った。

「日商簿記3級は、半月もあれば受かると聞いていた。テキストをサラっと読んでから過去問に入った。
 テキストを読み進める事自体は容易だった。ところが総合問題に入るととたんに解けなくなる。
 半月で合格するなんて言った奴がうらめしい。そこから真剣にやり始めた。
 受けるなら、受かると決めていた。だって、金が勿体ないからね。
 3級だと思ってナメてかかってたら、落ちるよ。

この友人Aは、友人であり良きライバルでもある。ふぬぬぬ負けてられるか、と熱が入る。

どこか当初の目的から、逸脱し始める音がしていたが、この時は気付かなかった。