POG2021-2022指名馬近況。2歳戦を終えて

 2歳戦が終わりました。やっぱりあの馬は強かった。

指名馬の戦績(2021年12月29日時点)

指名順 馬名 成績 賞金 厩舎 所在
1 牡コリエンテス 1-1-1-1 920 堀宣行 美浦
2 牡ダンテスヴュー 1-1-0-1 1360 友道康夫 栗東
3 牡キラーアビリティ 2-1-0-1 8260 斉藤崇史 栗東
4 牡ダノンスコーピオン 2-0-1-0 4200 安田隆行 栗東
5 牝アドマイヤラヴィ 0-0-1-0 180 友道康夫 栗東浦
6 牡パラレルヴィジョン 0-0-0-0 0 国枝栄 美浦
7 牡ディーンズリスター 0-0-0-0 0 矢作芳人 栗東
8 牝スカーレットオーラ 0-0-0-0 0 中内田充 栗東
9 牡ジャスティンスカイ 1-1-0-0 790 友道康夫 栗東
10 牡ポイズンアロウ 1-1-0-4 915 藤沢和雄 美浦



指名馬戦績コメント

1位指名

牡  コリエンテス

父  ディープインパクト
母  イスパニダ
母父 Pure Prize

『国内のみならず、世界でも圧倒的なパフォーマンスを披露し、歴史に名を刻むことが本馬の天命です。』(シルクのカタログより)

これだけブチ上げておいて、初戦の想定が福島、調教がいまいちで新潟デビュー。さらに二戦目の未勝利戦は東京の芝2000mの手薄メンバー、ドスローで差し切れず。しかも上りもそこそこ。
思えば、ノーザンF空港関係者の評価は最高潮と言っていいくらいでしたが、入厩後は慎重コメントの連発。結局デビューは新潟芝1600m。マイルになってしまいましたから。勝ち馬に千切られるは上りも負けているわで楽に逃がしてしまったとは言えないレース。未勝利戦は完敗。位置取りうんぬんというより瞬発力不足。上りの時計も周りも良かったわけでもなくそこそこ。強い馬なら差し切ることが可能な時計。クラッシック狙えるディープならこんな走りじゃない。

言いたい放題ですが、三戦目の未勝利戦はさらにメンバーが弱体化。さすがに初勝利を収めましたがなんとか勝てたと思ってしまうような内容。2着馬からすれば目標は当馬しかいないのですからマークして厳しいレースに持ち込まれたらわからなかったと思える内容です。四角の位置取りの差が大きかったと思います。

何はともあれ未勝利は脱した後の葉牡丹賞。ここが試金石だったでしょう。
スタートまずまず、ポジション取りにも成功。しかし、直線に入ってからいい所なしの9着の結果。ズブいとかバテたとかアクシデントがあったでもなく、単純な力負け。自分の競馬が出来てこの結果なので現状はこれが実力ということなのだと思います。

入厩当初『腰回りの関節のバランスにウィークポイントを抱えている』とのコメントがありましたが、もし、能力があるのならここが解消されていないのかもしれません。

2位

牡  ダンテスヴュー

父  キングカメハメハ
母  クロウキャニオン
母父 フレンチデピュティ

比べちゃあいけませんが、コリエンテスと違って入厩後にトーンが上がってきていた当馬。厩舎の期待度も高かったですね。新馬戦こそ2着でしたが少し後ろ過ぎました。未勝利戦は順当勝ちの好時計。先行勢の中では確実にモノが違うところを見せつけました。まだまだ伸びしろがある発言を調教師もおっしゃっていたようですし、次戦も本当に楽しみしていました。

そして、次走が東京スポ杯。このレース選択も嬉しい限り。陣営も能力を見込んでのことだったと思います。不運にも大外枠となり後ろから。直線は伸び切れず勝ち馬からかなり離された4着。川田J曰く『動けなかった』とのことなので、ポジションが取れず後ろからになってしまったということなんでしょう。ただ、直線の走り自体は悪くなかったと思います。よれたりフラつくことなく真っ直ぐ駆け上がる。上りの時計は後ろから行った割には案外だったのかもしれませんが、成長次第では可能性を感じさせる走りだったと思いました。

3位

牡  キラーアビリティ

父  ディープインパクト
母  キラーグレイシス
母父 Congaree

新馬戦はアクシデントもあり度外視。後付けもいいところですが、未勝利戦のパフォーマンスを見たら新馬戦は見なかったことにしてもいいですよね。

小倉で平坦馬場の手薄メンバーを千切ったからって威張れるもんじゃないかもしれませんけど、これはホンモノか!?って思っちゃうのが指名した当事者の色眼鏡。直線の加速は凄かったですし。

次走の萩Sでは仕掛けどころで騎手の判断差がついたか、僅差の2着。以下、レース後のジョッキーコメントからも岩田望こそが背水の陣だったのでは。

『道中はずっと力みしかなくて抑えられなくて途中で動いていきました。勝ち馬にマークされてクビ差負けてしまいました。馬の能力を全部出せませんでした。能力はあるので勝たせてあげたかったです。悔いの残るレースをしてしまいました』

ノーザンFの馬でもあるし、おそらく次走は乗り替わりになるでしょう。結果、ホープフルSで横山武Jに乗り替わり。

サンデーのコマンドライン、シルクのコリエンテス、キャロのキラーアビリティとはよく言ったもので、前評判は確かだったということを見せつけて欲しいと思っていたところです。

で、ホープフルSと言えば、好位で折り合って完勝。スタートよく、ポジションも取れ、折り合いもついて直線も他馬に邪魔されなく追えれば、実力を十分に出し切れての完勝だと思います。鞭が入るたびに右へ左へ寄れる感はありましたが、ケチをつけてもこれくらいでは。
横山武Jは、継続騎乗をにおわせていましたが、元来の予定通り福永Jに戻すのか気になるところです。

4位

牡  ダノンスコーピオン

父  ロードカナロア
母  レキシールー
母父  Sligo Bay

萩Sのキラーアビリティとの対比の意味で、川田Jのコメントが参考になります。

『1800mでもよく辛抱してくれました。直線では強い2着馬とは併せないように、外へ離していきました。着差はわずかでしたが、勝ち切ってくれたのが大きいレースでした。今日は現状の精一杯の走りが出し切れたと思います』

このコメントからも現状は、マイルまでなんでしょうね。「強い2着馬」(川田J)の話と「馬の能力を全部出せませんでした」(岩田望J)の話から推察するに、レースの展開によってはあっさり逆転もありえると言えるかもしれません。成長次第と言ってしまえばそれまでですが、現状では短い所ではダノンスコーピオンの方が上。長い所ではキラーアビリティに分があるといったところだと考えております。

この馬の評価自体は、新馬戦の着差からなのか「本当に強いのかな?」と思われている人も多かったと思いますが、一方で新馬戦のパフォーマンスは圧巻だったと思われた方も多かったと思います。4着以下が8馬身千切れたレースでしたし、その後も2着、3着馬はきっちり勝ち上がる。外々周って前の馬の勝ちパターンをきっちり捉えるのは圧巻だったと思います。

朝日杯では、残念ながら乗り替わり。4番人気も半信半疑の評価といったところ。スタートがよく、やや手綱を抑えながら中盤からのレース。道中はごちゃつく所はありませんでしたが外には出せませんでしたね。ドウデュースに張られました。直線は進路探しの追い出し。外々に向かいましたが開かず、結局は内に切れ込むことになりました。残り50mでようやく進路確保ができるようではお手上げですね。

敗因は、進路を確保できずに十分に追えなかったからだと思いますが、この辺りが乗り替わりの影響とも言えそうです。(馬券をしこたま買っていたら騎手に殺意が湧くレベル)
松山J曰く「これだけの馬」。馬自体の強さは見せてもらえました。

5位

牝  アドマイヤラヴィ

父  ロードカナロア
母  アドマイヤミヤビ
母父 ハーツクライ

新馬戦の結果を見る限り、もう少し成長が必要なのかな。と思ってしまうところ。

ただ、ドスローで折り合いが危うい場面も見られました。パトロール映像を見る限り、馬が前に行こうとする気持ちが強かったですね。道中自分で進路を探して前に行こうとするところを武Jに宥められていた感じがありました。しかし、無理に行ってしまうよりよっぽどよかったと思います。ゴール直前に2着馬に差されてしまいましたが、最後は少し苦しそうでしたね。次走は距離を短縮してくるかもしれません。なにはともあれ我慢させたことに価値があったと思わせる一戦であることを願っています。

6位

牡  パラレルヴィジョン

父  キズナ
母  アールブリュット
母父 マクフィ

一時、骨瘤が出たとの話も聞かれましたが、その後は順調で入厩後の調教時計も良好。ルメール騎手確保しての新馬戦を迎える予定でした。しかし、歩様に違和感があるとのことで回避。軽い骨折が判明し、回復を待つ。9月にトレッドミル、10月軽めのキャンター、11月坂路で15-15。12月も坂路で15-15。今に至ります。関係者の話では移動が1月末か2月くらいと言われておりますので、順調に行っても3月デビューといった感じなんだと思います。

デビュー予定直前の追い切りはかなり期待を持てる感じでしたから、脚元不安の解消と成長次第で活躍を。相当期待していて首を長くして待っています。

7位

牡  ディーンズリスター

父  ディープインパクト
母  ラヴズオンリーミー
母父 Storm Cat

昨年末の一頓挫からようやく軌道にのり、10月半ばに入厩までこぎつけました。早くて11月のデビュー、遅くても12月デビューの青写真でしたが・・・。

昨年末の怪我は種子骨を痛めたとのことでしたが、その後も関節炎、右飛節の腫れ、そして繋靭帯炎。全て右前脚のようです。春は絶望的なのかもしれませんが、これだけの血統なので来年秋以降になってもデビューを見たいものですね。

8位

牝  スカーレットオーラ

父  ロードカナロア
母  ダイワスカーレット
母父 アグネスタキオン

ほとんど情報が出てきませんので近況の詳しくはわかりませんが、10月時点で山元TC。11月にゲート試験合格後、放牧。現在は山元TCでトレーニング中。順調に行けば年明けデビューも見えてきていますね。

そろそろ活躍馬が出てきて欲しいダイワスカーレットの九番仔ですし、ここ3年連続でロードカナロアがつけられています。当馬の出来がよくなければ3年連続同じ種牡馬とはいかないと思いますので、秘かに期待をしているスカーレットオーラだったりします。

9位

牡  ジャスティンスカイ

父  キタサンブラック
母  リアリサトリス
母父 Numerous

未勝利戦勝ち後の「上のクラスでもやれる」(ルメール騎手)コメントは嬉しい限りです。先行押し切り危なげない勝利でした。

思えば新馬戦の2着も勝ち馬がロン。ロンは野路菊Sも勝ちましたし相手も弱くなかったところも今後に期待が増します。

10位

牡  ポイズンアロウ

父  Arrogate
母  Crosswinds
母父 Storm Cat

新馬戦は前に行けず後ろにつけてそのままゴール。次走芝を試すも案外。さらにメンバーも薄い札幌未勝利戦に続戦。可もなく不可もなく周ってきて伸びずにそのままゴール。大型馬で馬体が緩め。当初から言われていたとおり晩成型なのでしょうか。

少しお休みして、ダート復帰。

11/14のレースではあんちゃんを背に外をぶん回し(4着)レースで調整。本命は11/27のレースだったと思いますが、ルメールJに乗り替わりというのも露骨です。直線、きっちり前を捕まえたところで後ろから差され2着でしたが、あれは仕方ないと思いました。
未勝利脱出が見えてきたと思っていたところ。

12/25中山ダ1800mでは、追って追って伸びた。手薄なメンバーに恵まれた感もありましたが、年内中の未勝利脱出は嬉しいですね。

個人的にはそろそろお休みを・・・と思うところですが、黒竹賞(1/8)特別登録。3歳1勝クラスのダ1800m以上のレース自体が限られるので輸送せずに走らせられる黒竹賞を使っておこうというところでしょうか。クラスが上がっていきなり勝ち負けは難しいかもしれませんが、未勝利勝ちのような追って味のあるレースを期待しています。


以上です。これからのクラシック、楽しいPOGライフであることを!お読みいただきありがとうございました。

ドラフト指名時の感想は、こちらにまとめてあります。