いつもの温泉宿で、いつもと違う体験をした話~その1

 今年の4月末~5月頭にかけての大型連休は、まさに大型であった。
この休日を機に、友人と遠方の鄙びた(←自分め、失礼なヤツ)温泉地へと出掛けた。

その地は自分のお気に入りの場所であり、かれこれ数十年来、リピーターとして度々訪れている。

温泉地だけあって、そこには鄙びている(←しつこいが、失礼)とはいえ宿屋が複数ある。
そのうち2か所をかわるがわる、利用していた。

見知った宿だったこともあり、予約手配は自分がやった。
電話予約をした際の受け答えは、いつも通りだった。
そこに宿泊するのは久々だったため、非常に愉しみにしていた。

しかし、今回は、いつもらしからぬ珍妙な出来事を体験した。
この記憶が厚いうちに、旅の思い出話を綴ってみる。



連休中の、某月某日早朝。友人と落ち合い、出発。
運転者、自分。友人は自他共に認める紙運転手。
運転することは苦ではないらしく(ド下手だがそれはさておき)、嬉々としてハンドルを握る自分に、運転がさほど好きではない友人。
なるほど世の中はうまいことできておる。まさに?善きコンビネーションじゃ(・▽・)。

途中の休憩も堪能しながら往くのが自分の旅スタイルであり、半ばその様式を友人に押し付けながら?の旅となったが、出発地からクルマを走らせること、7時間程。

目的地到着。
観光も愉しみ、昼間の時間を満喫し、いざ宿へ。

宿に到着するや否や、既に何かが、違っていた。
以前は必ず女将が出迎えて荷物を持ってくれたりしていたのが、お出迎えがなかった。

ややや(・д・)。
忙しいのかな。仕方ないから、自分達で荷物をフロントへと運び、名前を言い、
クルマを停めてきますので、チェックインちょっと待っててください。」と伝え、クルマを駐車場へ。

長時間の運転はいつものことながら、ここぞとばかりにこき使われるクルマにそっと心でこう呟き、フロントへと向かった。
『いつもありがとさん、本日もオツカレサマ。』

駆け足で友人と宿のスタッフが待つフロントへ戻ったら、何故かチェックインが済まされていた。

おろ(・д・)?
友人に聞いてみた。

自分:「自分とキミの、両方の名前が必要だって言われたのかい?
友人:「オレも聞いたんだが、書いてくれっていわれてさ・・・。

二人は戸惑った。

先述の通り、予約者は、自分。
宿台帳に記帳するのは当然自分だと考えていたが、宿泊者全員の名前が必要なのかと改めて尋ねた。
以下、自分とフロント係との会話抜粋。

自分:「予約したのは自分であり、自分の名前を書くのではないのですか?
係A:「どちらでもよいです。大丈夫です。
自分:「ほんとに、そうなの?」と、近くにいた係Bに尋ねた。
係B:「いえ、ご予約者の方に、書いていただいています。
自分:「じゃあ、コイツ(友人)の個人情報はいらないでしょ。ワシのだけでいいんだね?
と、A・B両者に確認。
係A:「ハイ、ソウデス。

どないやねん。
という訳で、友人の書いた宿台帳は、こちらで受け取り、破いて捨てることにした。

チェックイン時からして、何かがおかしかった。
女将らしき方をみることなく、部屋へと案内された(部屋への案内は、さすがに係員が同行していた)。

どこか、何かが、いつもと違う
館内の空気そのものが、変わっていた。
人手不足か、なんなのだろうか・・・と頭のどこかで考えながら、部屋へと向かった。

部屋へ通され、係Bは、こういった。

係B:「それでは、失礼します。

えええ(・д・)?
温泉宿さながらの、お茶淹れサービスはおろか、部屋や施設の説明なく、いってしまわれた
・・・まぁ、何となく見りゃ判るし、施設案内だって、冊子見ればわかるけどもさ。

とはいえ、結構広い部屋だったこともあり、部屋にあるエアコンと、施設の空調の違いが判らなかった。
空調は一旦さておいて、冷蔵庫を開けて持参していた飲料を冷やそうとしたら、冷蔵庫が、ただのハコとなっていた。

冷蔵庫の電源が、ついておらん。

加えて、何やら水差しが、無造作に置かれていた。
水差しの中身は空っぽ。

ほらさ、だからね。ちゃんと説明しないから、こうなるんだよ。
フロントへ電話をかけたら、先の係Aが、やって来た。
エアコンについては、説明してくれたので、理解した。

自分:「冷蔵庫の電源コードあるけど、本体に隠れていて無暗に出せない。しかも、この中に入っているブツは、何ですか。
係A:「アノ、コレは電源で、こうしたら冷蔵庫、つきマス。

・・・電源の入れ方くらい、脳みそすっからかんな自分にだって、わかるわい。

係Aは、さらにこう続けた。

係A:「コノ入れ物は、お湯を入れテ、冷ましマス。

・・・もう、訳が分からなかった。

自分:「湯を冷ますための入れ物が、なぜここに?コレに冷水を入れてくれてるんじゃないのかと思ったけど。とにかく、誰かの忘れ物とかではないんですよね?
係A:「上のものに、確認してきマス。

入れ替わり立ち代わりで、係Bがやってきて、説明されて、色々と判明した。

  • 冷蔵庫は、いつも清掃時に電源コードを繋いでいるが、今回は清掃員のミスにより、つながれていないままだった。
  • 中にある入れ物は、冷水サービスとして水を入れているが、それもなく空っぽの入れ物だけがある状態だった。

明らかに宿側のミステイクであった。
再び部屋を去り、冷水を持ってきてくれた。

その間に、なぜか冷蔵庫内が水浸しになっていた。
機械音痴だから、どういった事情でそうなったかは知らんし、どうでもよい。
なんだかどっと、疲れていてけだるかった。
雑巾を持って来て、庫内を拭いてくれたは良いが、折角持って来てくれた冷水入り水差しを、なんと地べたに置いておった

さすがにずぼらな自分も、引いた(((((・д・;)

あ、あれ、(我々が飲む)水、地べたに置いちゃうんですか」と言わずにはいられなかった。

係Bは、我々に付き合うのが面倒だったのか、苦笑いして、水差しを冷蔵庫に置いた。
あ、もう、コレはないぞ。

係Bは、作業を終え、心のこもったとは思い難い謝罪の一文を述べ、去っていった。

旅の疲れを癒す時空間は、いずこへ(;▽;)。

数年ぶりに訪れたお気に入りの宿が、凄惨な現場と化していたとは予想だにしていなかった。
すべてのやり取りを終え、友人に一言。

自分:「なんか、ゴメンよ。
友人:「なんで、オマエが謝る。
自分:「あれこれ言っても、変わらないから、気を取り直そう。温泉に入ってこようかな。
友人:「夕飯の時間が迫っておるぞい。後にしたら。

そう言われて初めて、チェックインしてから結構な時間が経っていたことに気が付いた。
夕食会場では、いかにも、な温泉メシを頬張った。
食事は、満足(^・▽・^)v。

部屋へと戻り、温泉へ・・・と思ったのだが、体が言うことを聞かなかった。
どうやら、物凄く疲れていたようだった。

部屋の風呂に入り、布団にバタンキューと倒れ込んで、一日を終えた。
何度もココへ来ているが、宿泊日に温泉に入ら(れ?)なかった事は、初めてだった。

宿にきて、疲れるって、イッタイ・・・(;д;)。

しかしながら、布団は気持ちよく、朝までグッスリであった。

眠りに堕ちる直前、心に誓った。
『明日の朝こそは、心待ちにしていた温泉に、入るんだい!』

つづく。