一般的に言われているのは、平仮名→漢字の順だと思います。
なぜか?と言われれば、ペン字の目的が上手な字を書きたい。だとすると、私達が普段書くことの多いものから練習するのが近道だから。
日本語の文章は半分くらい平仮名を使います。また、平仮名の文字数は全部で46個。数も多くはありません。常用漢字と呼ばれるものが2,000文字程度なことを考えると少ないものです。
なので、普段書く字をきれいに書きたい場合は、平仮名から練習を始めるのは定石なのかもしれません。
でもたまに、カタカナから始めるといい。なんて言う人もいます。
※ちょっとすいません、この記事は独学でペン字やっている人向けに書いてます。(ペン字教室や講座を受けている人は先生に聞いた方がいい)
カタカナから始めるのがなぜいいか?
カタカナって平仮名ほど難しい形が多くないもんね。と言ったらそれまでですが、カタカナってそんなに書く機会は多くないと思います。(特殊な仕事や勉強をしていない限り)だから、カタカナの練習をいっくら重ねても普段書く字が上手くなるかと言えば、ちょっと遠回りな気もします。でもカタカナから入るのがいいという人もいるわけで。
カタカナから始める方がいいと考える人は、
- 基本的な線・点画を学べる。
- 画数が多くないため、練習しやすい、上達しやすい。
- 曲線が多い平仮名に比べて難しくない。
- 筆使いを慣れてから平仮名に移った方が上達しやすい。
こういった理由からだと思います。
確かに、平仮名から始めようと思ったら、ほとんどの人が最初に書く字って「あ」だと思います。「あ」って、左右対称でもないし、いきなり曲線もあるし、意外と難しいです。
でも、カタカナから練習を始めていたとすると平仮名の曲線は書き慣れていなくても、さほど抵抗感なく練習が進められる気もします。これには、カタカナの練習で学んだ、基本的な線と点画の書き方の理解と筆使いの慣れが生きているからですが、であるなら、この要点を別の形で練習しておけば、平仮名から始めても大きな差はつかないとも言えます。
平仮名から始めるなら、その前に直線と円を描く練習
字が汚い要因の一つに線の汚さがあります。ぶれたり曲がったり、太かったり細かったり。止まっていないとめ、あらぬ方向へのはね、気持ちよさの欠片もないはらい。線が汚ければ字も汚くなるのは当然です。
これを改善するには、直線と円を描く練習をしておくのがいいです。
- 直線は、5cm~10cmの長さで書く。
- 真っ直ぐで、線の太さが均一になるように書く。
- 円は、3cm~5cmの直径で書く。
- 形は、可能な限り正確な円形に。
真っ直ぐな線、正確な円形、線の太さ(濃さ)を均一になるように。直線の長さと円の大きさはある程度大き目に。普段書く文字のサイズの大きさで書くのも有効だと思います。また、直線の長さは長くて10cm程がいいと思います。それ以上長いと用紙をずらしたり体を移動させないと書きにくく、真っ直ぐ書けなくなるからです。
全く書けない、自信を喪失するくらいのものであれば、最初はなぞり書きをした方がいいかもしれません。なぞり書きすら怪しいという人は、定規で線を引く、円はテンプレートを使うことも慣れという点ではいいアイディアです。ある程度書けるようになってくるとペンの持ち方やペンの角度、力の入れ具合などを含めて、真っ直ぐや丸く書ける時の書き方が身に付いてきます。その後はひたすら正確に書けるように書き続け、安定して書けるようになれば身に付いたと言えるところまできていると実感できます。
また、どの程度書けばいいかの目安は、ノート1冊分くらいは必要だと思います。(個人差あり)
もし、なかなか上手く書けないことがあれば、使っているペンを変えるだけで書きやすさが変わることもあります。鉛筆、ボールペンどちらでもいいとは思いますが、シャーペンのような細い線になってしまうものはおすすめしません。文字には、打ち込み、とめ・はね・はらいと力の強弱をつけるところが必ずあるので、それを表現しにくいシャープペンだと上達を阻害してしまいます。
フリーハンドで綺麗な線と円が書ける頃には、ペンの扱いもかなり向上されているはずです。ノート1冊分をやり切るか、1ページ、2ページ程度で先に進むかは人それぞれなところもありますが、筆使いの熟練度は確実に向上します。
これをやるかやらないかで平仮名の書き始めにかなりの違いが出ると思います。
(ちょっと蛇足)ノート1冊分ってそこまでやる?
練習量の話ですが、ノート1冊分の話はさておいて、例えば事務職の仕事で数字を手書きする必要がある場合、書き損じや見づらい、わからない字は致命的です。1と7、6と0、これを見間違えるような字では業務に支障がでます。
手書きが必要な事務職の職場では、たまーにとんでもなく数字を書くのが下手な事務員が入社してくることがあります。これが本当に事故の元。たかだか0~9までの数字です。10個の数字。誰が見てもわかる数字を書いてもらわないと困ります。
そんな場合、会社ではどう指導するのか?と言ったら、綺麗な数字が書けるようになるまでひたすら書いてもらう。
でも、その人の感覚に任せていたら何時になったら綺麗になるのかわからないし、どのくらいの練習を重ねてくれるかわからない。だから、お手本とノート1冊を渡して、全部書き切るまでやってもらいます。(仕事で必要なことなので、やりきってもらいます。※1日で・・・とかじゃないですよ。業務の合間にやってもらって終わるまで)もちろん、ノート1冊で足りなければおかわりがあることも伝えます。(2冊目やるの嫌でしょ?だから真剣にやって上手くなってね)
最初は、お手本をなぞり書きしてもらい、慣れてきたらお手本を見ながら書いてもらう、自信がついてきたら身に付くようにさらに練習をしてもらう。
さあ、どうでしょう。ノート1冊も0~9の数字をびっちり書いたら上手くなるってもんです。それに、業務命令、仕事となったら人はやるもんです。
でも、これくらいやらないとクセを直すのは難しいですし、数字を書く技術は身に付かないということだと思います。
ペン字は仕事じゃないので、自分の塩梅で決めればいいと思いますが、ノート1冊分は上達の目安にはなると思います。
漢字から始めるのだって悪いことじゃない。
ここまで平仮名やカタカナから始めるのがいいようなことを書いてきて、当の本人は漢字からやってます。平仮名、カタカナの練習はまだやっていないんですよね。
何か理由があるのか・・・と言えば、大したことはないのですが、こんな字を書きたい!と思ったのが達人が書いた漢字を見ていた時だったから。
結構、物事に対する情熱やモチベーションは大事です。書けるようになりたいものを書くんだよ!っていう方が意欲を持って臨めたりするものです。
私の場合は、漢字の文字を書く前に直線の練習はしてました。おそらく10ページ分くらいは書いたと思います。(ノート1冊なんてやってない)
でも、いまだに線がぶれたり曲がったりってあるのは、ノート1冊やっていないから?
仕事ではないから、思うがままに練習を進めていくのもありだと思っております。(締めが身も蓋もない)