『平和物件』のスッタモンダがあり、家なき人となるやもしれぬ状況に陥った時、不図想いだしたあの物件。ウマが合わなかったB担当者に連行されて駐車場だけみた物件のこと。
『空き物件あり・仲介手数料無料・電話●●-×××-△△△△』
そういえば、あそこ、まだ空いているのかな。
電話番号までは記憶していなかった→住所からインターネットで写真地図を探した。
事務所の名前を割り出した→そこからさらにその事務所の電話番号を割り出し、おそるおそる、かけてみた。
自分「突然恐れ入ります。掲示板を拝見してお電話差上げております。部屋、空いていますか。」オーナー「はぁ~、さん・えるでーけー(3LDK)?」
いかにも、な発音で、ちょっと吹き出しそうになったが、淡々と続けた。
自分「はい、そうです。空いていますかね。」オーナー「はぁ~、ウチね、家賃△△円、共益費××円、駐車場は〇〇円で、合計□□円。払える?」自分「ええ、大丈夫です。」オーナー「なら、いいよ、みにおいで。」
即、内覧に。
・・・
時間もなかったので、ココで即決。
内覧を終えて事務所にお邪魔した自分に珈琲を出してくれた。仲介業者に依頼しないと、なぜかこうもスムーズに話が進む不思議(笑)。
オーナーとの会話を、一部抜粋。オーナー「あれ、アンタ、一度業者とウチに視に来たの?そういやこんな人、来たかねぇ。で、表の貼り紙みて、業者ナシで直接きたんだ。うっひゃっひゃっひゃ!オタクも、やるねぇ。実はね、アナタも、ウチも業者に手数料、払わねばならないんだわ。この場合、アナタもワタシも、手数料が、ないわけだな。」
すかさず自分はこう言った。「はい、これなら、ウィン・ウィンでしょ。」
オーナー、大爆笑。どうやら笑い上戸の御方のようだ。
本音を言えば、良くしてくれる業者であれば、お世話してくれた分の手数料は支払いたかった。だが、あのB担当者からは一切営業電話もないままだし、C担当者に関してはこの物件は、奇しくもC仲介会社で扱いがなかったのだった。
最後にこう言われた。
「う~ん、なんだか仲介業者に悪い気もするけど、まぁ、いいか。それじゃ、契約書、郵送するからね。」
笑い上戸に加えて人柄も良さそうである。
ふと思い出して駆け込んだ物件で、決まった。家なき人にならずに済んだことに、まず一安心。
その後順調に契約締結が叶い、引越も済ませ、現在に至る。これまでの道のりが永かった分、こんなにアッサリ決まった時には、脱力感で心身が覆われた。なにせ通算2ヶ月以上もの時間をかけてしまったものですから。
で、落ち着いた今考えてみる。
あれ?賃貸物件探しって、こんなに大変なモノだったっけかね(・ω・)?良くある事なのかね。
百戦錬磨でもない、切磋琢磨して生きてもいない、パッパラパーのクルクルパーな自分だから、きっと逢ったことがない神様仏様が、「ちったぁー苦労しなはれ」と与え給うた出来事だったのだ…と、今は想う事にしている。
嗚呼、住む家があるって、有り難い(‐人‐)。
余談だがこの駆け込み物件の契約書にも、設備の記載はなかった。だが、ちゃんと協議の項があり、このオーナーは協議が出来る人であった。ココもまた、部屋の網戸がスライドしないモノだったのだが、入居前に言ってみたらすぐに対応してくれた。感謝である。
この心を忘れずに、また程よくパッパラパーに生きていこうじゃないか。
完。