やってモーターショーの筈が、図らずもやられてモーターショーとなってしまったのは先回の話。事故現場から自分も我が子も怪我をしながらえっちら、おっちらと帰宅してから数日後、我が子を実家(車屋)へ連れて行った。
今回の事故は、相手10、こちら0の事故である。ゆえに相手が我が子とワシの治療費を負担することとなっている。
これまで苦楽を共にしてきた我が子の一部が取り替えられてしまう。何だか自分の身をもがれていくような気がしたので、怪我をしてしまった後方部分を、目一杯写真におさめておいた。後にその写真は、冒頭のイラストの様な、涙を流している様子に加工され、愛車日記に残された。
余談だが、新車で購入してからたったの半年後に早速ぶつけてしまった、あの時ワシが初めて付けた傷も、リアバンパーにあったのだ。今回の修理で取り替えられ、なくなってしまう。もっとド派手にやらかしてしまうだろうと思っていたら案外その後はぶつけることもなくやっていたのにな(苦笑)。
数日間の入院となった我が子の代わりに代車が手配されていた。我が子以外の車に乗るのが、ワシは怖かった。車屋に代車が来ていたので、帰りはそれに乗って帰ることになっている。
代車に乗り、車屋を出た直後に恐怖を感じた。慣れない車。これは危ない。気を付けて帰らねばと思った。その矢先、交差点前で信号が黄色になりブレーキを踏み始めた。あれ、と、停まらない(我が子よりもブレーキの効きがゆるやか)!最終的にはもちろん停まるのだが、あまりにも我が子と違う子なのである。
ふと道行く車を眺めてみた。皆、難なく車を動かし、停めている。どうしてそれがワシにはできないのだろう(´・□・`)。やはり下手な人間が車を運転してはいけないのか、とまで自信喪失してしまった。
あまりに辛くて誰かに話を聞いてもらいたくなったので、カー・アドバイザーである友人の一人に今回の事故を報告した。ワシ:「かくかくしかじか、わが子入院中のため今代車に乗っとるんやが・・・どうにも怖くてねぇ・・・。ワシ、何だか自信なくしてねぇ・・・」
友人は、まずはワシの体を心配してくれ、命に別状がないことを安堵してくれた上で、こう言った。友人:「いや・・・あのぉ、やで(’∀’:)。あくまで代車が【普っ通ぅ~】のクルマなんであって・・・。どっちかっていうとお宅のクルマが異常なわけで。(閃いたような口調で)あぁ、そうだよ、あなたは異常なクルマに乗っているんだよ」
異常・・・(・ω・)。異常なクルマ。この言葉が胸にストンと落ちてきた。そうか、うちの子、異常なんだ。ワシにとっては普通のクルマだけど、一般的には異常なクルマとみられるのだと知らしめられた。
友人はこう続けた。
「異常なクルマの感覚は、普通の車には通用しない。逆もまた然り。だけど、大丈夫だよ。『コワイ』と思って、ブレーキ踏んだんでしょ。それが、正常な反応だよ。普通の車に乗り慣れている人が異常なクルマに乗った時にも、「コワイ」と思うだろうし、「危ない」って思ったらブレーキ踏む。あなたは普通の車に乗っていても、異常なクルマに乗っていても、大丈夫だ。安心して代車で出掛けたら良いよ。代車との時間も結構面白いモンだよ」
この慰めにどれほど胸をなでおろしたかわからん。自信喪失が一転して、代車も大事に乗ろうと思うようになれたのだから。
続く。