結婚指輪の予算って大体みんないくらだろうって調べてみると、ペアで20~30万円程度が相場って見かけます。
これって、人によっては高いと思う人もいませんか?
お相手との絆の形・・・永遠の愛の証・・・一生に一度の宝物・・・
だから、相手を想う気持ちをカタチにして贈り合うのがいい。
値段で決めるものじゃない。もちろんそんな意見もありますが、カップルによっては予算的に難しいこともあると思います。
また、仕事柄身に付けられない方や金属アレルギーが出てしまう方、様々な理由で身に付ける頻度が決して多くない方達もいるものです。
私自身も普段は結婚指輪を身に付けず、必要な時に付ける程度でした。それもお互いにそうだったので、何かもっと別の形で、二人だけの大切な物になる方がいい。と話した想い出があります。
さて、ここからは少し現実的なお話。大切な結婚指輪にお金の話を持ち込むのはいやらしい。なんて思う方は見ない方がよさそうな内容です。
目次
- 本当に金よりプラチナの方が高いの?
- なぜ、20~30万円もするの?
- 20万円で購入した指輪は、質屋に入れたらいくらになる?
- 20~30万円の価格って妥当ですか?
- プラチナ(または金)じゃないとダメですか?
- 結婚指輪の意義を考えれば、別の形でもいいと思う
本当に金よりプラチナの方が高いの?
結婚指輪を探しにお店で見せていただいていた際に、店員さんにこんな質問をしたことがあります。
「金(の指輪)よりプラチナの方が高いのってなんでなんですか?」
ちょっとした雑談くらいの話から聞いたものですが、店員さんの回答は・・・
「プラチナの方が金より高いので、それが価格差になっていますね」
この話、正しいのでしょうか?2020年9月の地金の相場を見てみると、おおよそ以下の価格で取引されています。
金(1g) | 7,000円 |
---|---|
プラチナ(1g) | 3,500円 |
コロナ禍の影響で、金が高騰した結果もありますが、プラチナの地金の価値としては金の半分しかありません。となると、原材料としてみると「プラチナの方が金より高い」なんて話は、全くのでまかせということになります。20,30万円といった決して安くない商品の質問に、こんないい加減な話しがあったりするわけです。
では、地金ではなく材料費としてもう少し突っ込んで見てみると、結婚指輪に使われるプラチナや金には品位があります。
プラチナであれば、Pt900、Pt950。金であれば、18金。
Pt900は、90%がプラチナを原材料としており、(Pt950は、95%)18金は、75%が金を原材料としています。(純金と呼ばれるものは、24金です)
プラチナ、金以外の素材は、パラジウム、ルテニウム、銅などを用い強度を上げるために必要なものとして含まれます。(プラチナ、金どちらも柔らかい金属なので指輪として作るには補強が必要)
さらに、比重も異なり、金の比重は約19.3、プラチナは約21.4です。
重さに換算すると、結婚指輪で一般的な
巾3.0mmのものであれば、金が約2.5g。プラチナが約3.0g巾3.5mmのものであれば、金が約4.0g。プラチナが約5.0g
になります。以下、価格をまとめます。(税抜き換算)
材質 | 品位 | 重さ | 地金相場 | 材料費 |
---|---|---|---|---|
プラチナ | Pt900 | 3.0g | 3,500 | 9,450円 |
プラチナ | Pt950 | 3.0g | 3,500 | 9,975円 |
プラチナ | Pt900 | 5.0g | 3,500 | 15,750円 |
プラチナ | Pt950 | 5.0g | 3,500 | 16,625円 |
金 | 18金 | 2.5g | 7,000 | 13,125円 |
金 | 18金 | 4.0g | 7,000 | 21,000円 |
※地金の相場は、2020年9月時点のおおよそのもの。
品位、比重を考慮しても金の材料費の方が高くなります。
なぜ、20~30万円もするの?
材料費で見ると地金の価格がそこまですることはないのは前述の通りです。デザインによっては、石にダイヤモンドをあしらうことがありますが、結婚指輪に使われる石はさほど大きくはありません。メレダイヤ(0.1カラット以下の小粒のもの)であり、大きさによりますがものが良くても、5,000円~10,000円程度になると思います。埋め込むダイヤの大きさと数によって変わるものですが、これらを加えてもプラス10,000円程度だと思います。
さて、材料費で言えば、20,000円~30,000円がいい所だと思いますが、これに加工費(工賃)が加わります。工賃は、製作に必要なや石留め、刻印、仕上げなどの作業になりますので、複雑なデザイン程高く、シンプルなデザイン程安く抑えられます。要は、職人の作業する時間がかかればかかる程高くなる料金とも言えるので、職人にかかる人件費と考えてもいいでしょう。
この工賃が仮に、鍛造方法のフルオーダーメイドであれば、金属を溶かし、ハンマーで叩いて強度を作り、さらにリング状に仕上げて削り、形を整え仕上げていく。そこまでのこだわりある製作の工賃は、それ相応の額になるはずです。一方、リングの型に金属を流し込み機械で固めて仕上げる方法では、工賃が全く異なるのはわかりやすいと思います。
工賃に関しては、デザインによって変わるものではありますが、既製品のものであれば高くて、(工賃)20,000円~50,000円程度だと思われます。
加えて、名の知れたブランドであれば、ここにブランド料が加わります。でも、ブランドなんて気にしない人からすれば、ブランドなんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。ってなわけです。
有名人を起用してCMして、有名人にブランドを持たせて宣伝させ、街中に看板や広告をありとあらゆる所に設置して、高価なイメージと好感度を積み上げたものがブランドです。そこに価値があるか考えるのは人それぞれなのかもしれません。
これらを踏まえて、20~30万円の値付けがされる結婚指輪になりますが、変動の大きい加工費やブランド料は、どちらを重視するかはよく見定めるのがいいのかもしれません。
20万円で購入した指輪は、質屋に入れたらいくらになる?
売るようなものじゃないから、そんなこと気にしないでいいんだよ。なんて思う方もいるかもしれませんが、20万円で購入した指輪なんですからそれなりの価値がないとおかしいと思いませんか?
結婚指輪の場合、大きなダイヤモンドなどの石は使われないことが多いため、査定で評価される部分のほとんどは地金の価値です。
買取価格は、20万円で購入したものであっても、2~3万円 が相場です。
結婚指輪となると刻印がされているものが多く、お店側も販売する際には刻印を削って消す加工費もかかります。また、サイズも決められたものになってしまいます。仮に人気のブランドであってもそこまで大きなプラス査定にはならないのが現実なようです。
20万円で購入した指輪が購入した途端に、2~3万円の価値になってしまうと考えると(私は)明らかにおかしいと思ってしまいます。
20~30万円の価格って妥当ですか?
私ははっきり言って高すぎると思っています。
モノの価値を決めるのは、自分自身です。
プラチナが人気です、一生に一度のものです、薬指につけて暮らす指輪だから納得いくものを・・・
このようなセールストークは関係ないです。一般的な予算の平均が20~30万円だから私達も・・・そんなの関係ありません。高いと思ったならもっとマシな考えが私達にはあるはずです。
プラチナ(または金)じゃないとダメですか?
プラチナは白金とも呼ばれ、白は花嫁の色。結婚指輪にふさわしいプラチナ。なんて言われていますが、そもそも結婚指輪はプラチナがいいなんて言い始めたのって誰なんでしょう?結局売りたい側が広めた結果によるものでは?日本ではプラチナが人気かもしれませんが、海外ではそうとも限りません。金の方が人気があったりするものです。
結婚指輪の定番は、プラチナ。ブライダル業界が高く売れるプラチナリングを広めた結果でプラチナを選ぶ人が多いというのが現状なのではないでしょうか?
それに、結婚指輪をお店に見に行ったとして、リングの試着ができると思います。お店によっては、ショーケースの中のリングをそのまま試着することができますが、この場合、サンプル品であることが多く、本物のプラチナや金が使われたものではありません。
でも、その見分けってつきますか?
ショーケースを眺めていて、あれいいな、これきれいだな。なんて見ていてもその指輪がただのメッキだったりするわけです。ただのメッキでも「きれいだな」なんて思うくらい(いい加減)なものなんだと思いますよ。
そう思うと思い入れ次第。プラチナや金じゃなくてもいいのでは?
金属アレルギーの心配があれば、それこそチタンやジルコニウムなどの素材で見繕ってもいいと思います。もちろん価格も相応なものになります。(安ければ1万円以下でも見つけられます)
結婚指輪の意義を考えれば、別の形でもいいと思う
結婚式でお互いの指輪を交換することで、永遠の愛を誓うというのはご存知だと思います。また、左手の薬指につけることで心がつながり、愛と絆が深まるというのが一般的だと思います。
お相手とのつながりや愛と絆が深まるものが別の形でもできるなら、それはそれでいいのではないでしょうか。
もちろん、結婚指輪も大事なものです。いらないって言っているわけではないのです。もし、お互いに大切な物があるならば、結婚指輪に20~30万円をかけるのではなく、予算を考えてお互いの大切な物にまわすというのも一つの形だと思っております。
私達もそんな気持ちから、オーダーメイドの眼鏡を結婚指輪とは別の形にして、お互いに身に付けて生活しております。
何かお互い大切な物や身近な物、身に付けられる物など思い入れのあるアイテムがあれば、予算次第で別の形にしてみるのもいいかもしれません。