材質は、プラチナという説明だったとしても、本当にプラチナかどうかは、素人だとわかりません。
もちろん、百貨店に入っているような有名ブランド店や宝飾店であれば、信頼が置けるものだとは思います。しかし、昨今は、フリマサイトやオークションなどの個人間売買やハンドメイドなどの個人の作品も多くあります。この場合、一見でのやり取りになり、提示された情報のみで判断し信用し、取引を進まねばなりません。
おそらく大丈夫だろう・・・
と思って購入した後、不安になることもあります。金やプラチナなど高額な品になればなるほどそう思います。
宝飾店などに持ち込み鑑定をしてもらうという手もありますが、そこまでは考えていなかったり、それは最終手段にしたい場合、自力で見定める必要があります。
目次
- 自力で見分ける方法
- 鑑定書の有無
- 刻印の有無
- 磁石にくっつくか
- 比重を量る
- タングステンは見分けがつかない?
- 続・自力で見分ける方法
- 刻印方法を確認する
- メーカーや製作者が分かる場合、ネットで調べてみる
自力で見分ける方法
素人でも本物か偽物か見分ける方法は、いくつかあります。(ネットで探せばいくらでも見つかる情報です)
鑑定書の有無
鑑定書、品位証明書等は大きな判断材料の一つだと思います。
刻印の有無
プラチナであれば「Pt1000」「Pt950」「Pt900」などの刻印が入ります。もちろん、必ず刻印されているものでもなく、刻印されていても偽物の場合もあります。
磁石にくっつくか
プラチナは磁石にくっつきません。金属の中で磁石にくっつくのは、「鉄・ニッケル・コバルト」です。偽物に使われることがある、ニッケルであるかの判別が可能です。
比重を量る
金属には比重があり、金、プラチナなど高価な金属は、比重が重いです。
金属 | 比重 |
---|---|
金 | 19.32 |
銀 | 10.50 |
銅 | 8.96 |
白金 | 21.45 |
ニッケル | 8.902 |
鉄 | 7.874 |
チタン | 4.54 |
比重は、ご家庭でも量ることができます。量り(デジタルスケール)、コップ、水、糸 があればできます。
計算式は、金属の重さ÷体積=比重 で求められます。
体積は、水を入れたコップの中の水中に、金属を吊るしてあげることで求められます。水中に吊るした時に増えた重さが体積として使えます。比重を量った結果、思ったより軽ければ、金やプラチナの純度が低いか、別の金属が使われていることがわかります。
タングステンは見分けがつかない?
ここまでがよくある判断方法です。しかし、この方法で除外できるのは、
磁石につかない「鉄・ニッケル・コバルト」比重の軽い「銅・銀・ニッケル・鉄・チタン」
くらいです。金・プラチナの偽物に使われることがある「タングステン」の場合は、磁石でも比重でも判別が難しいです。
タングステンは、磁石にくっつきません。比重は、19.3です。金とほぼ同じです。プラチナとも近いです。プラチナの場合、少し比重が重いので判別がつきそうにも思えますが、プラチナ製品の多くは、強度を補強するためにパラジウム合金などが使われます。このため、Pt950、Pt900、Pt850であることが多いです。(Pt1000の方が稀です)そして、Pt900だと比重が19.5前後、Pt850だと19.0前後と言われており、タングステンの比重と似通ります。
宝飾店や質屋などのホームページでも本物と偽物の見分け方を公開していたりするものですが、タングステンについては、プロでも鑑定が難しいためお店に持ち寄って鑑定が必要です。とするとこすらあります。
そう言われてしまうと、素人が真贋を確かめるのは無理だと思ってしまいますが、まだ諦めるのは早いです。
続・自力で見分ける方法
刻印方法を確認する
タングステンの硬度は高い。硬いので刻印する場合、レーザーを用います。
従来の刻印は、金型のようなものを用いて打刻等により対象物に圧力を加えて刻印を施すものですが、タングステンは硬いためそれが難しいです。このため、タングステンに刻印する場合は、レーザー刻印機が使われます。この刻印方法を確認するというものです。
さて、従来の打刻式の刻印とレーザー式の刻印って見た目でわかるものでしょうか?普段から刻印を見慣れていない人が見たところで、わからないようなものがほとんどかもしれませんが、それでも見るべき点はあったりします。
- 彫りの深さ
- 刻印のフォント
- 刻印可能な文字に指定があるか
打刻式の場合、対象物に圧力をかける為、彫りが深くなる場合があります。むろんレーザー式の場合は、彫りの深さも自由自在なので深ければ打刻式と判断していいかはわかりません。一方で、レーザー刻印の場合、レーザービームを照射し、対象物の表面を熱変化させて刻印するというものです。もう少し表現するなら「溶かす、焦がす、剥離させる、酸化させる、削る、変色させる」です。打刻式のように圧し当てられた刻印にはなりません。
また、刻印のフォントも見分けるポイントです。レーザー刻印の場合は、プログラム制御のため様々なフォントに対応できますが、打刻式の場合は型が決まっています。ゴシック体などシンプルなフォントである場合は、打刻式かもしれません。
加えて、これから購入をしようとしている場合の話ですが、刻印可能な文字に指定がある場合は、特定の型で刻印しているとも判断でき、打刻式の刻印の可能性が高いです。(聞いた方が早いと思います)
メーカーや製作者が分かる場合、ネットで調べてみる
もし、メーカーや製作者の名前などが分かるならネットでググってみるのがいいかもしれません。普通に商売されている方なら、メーカーでも個人の製作者でも宣伝を兼ねて情報公開しているものです。昨今では、SNSを使って販促することも多く、FacebookやTwitterなどで情報発信しているかもしれません。
それらの情報に本物か偽物かを判断する材料があるかはわかりませんが、少なからず誠実な商売をしているのか金儲けの商売なのかは伝わります。個人の感覚的な部分になるとは思いますが、信用できる相手かどうか自分の判断で決めるというのも大切だと思います。
以上になります。本当に心配なら街中の質屋などに持ち込み、査定をしてもらう方が早いかもしれません。プラチナの指輪であれば査定額で1万円程度の値はつくと思います。(ブランド品であればもっと高く、ノーブランドでもプラチナの地金の価値で換算してくれるはずです)