日本ギフト大賞の取り扱い商品に疑問。選考方法や運営会社は?

 先日、友人からのいただき物で知った「日本ギフト大賞」。お品の包装の右肩に冒頭の写真のようなロゴがありました。

うちもお歳暮とかお中元のギフトは買う時に少し悩んだりするので、ちょっと参考がてらホームページでも見てみようとGoogleで検索。

公式ホームページにはたくさんの受賞商品が並んでいて、確かに見た目は良さそう。
ロゴ的にモンドセレクションをイメージしてしまいましたが、そうでもなさそうで。

これっていつからやってるんだろう?なんて思って、検索結果をもう少し見ていたら・・・。

googleの検索結果画像

ちらほらと「47club」という通販サイトの取り扱いが出て来る。
私は、47clubの通販サイトは利用したことないし、そこまで有名な通販サイトでもないのでは?おそらく。

なのに、日本ギフト大賞の取り扱い商品が多い。
ちょっとした疑念。

日本ギフト大賞に関して調べてみました。

目次

  1. 日本ギフト大賞は、2015年創設
  2. 47clubの取り扱われる商品の多くが受賞している
  3. 日本ギフト大賞と47clubの関連性
  4. どうやって選考対象を選んでいるのか?
  5. 日本ギフト大賞の運営元は?
  6. ビジネスモデルや収益構造は?お金はどこから
  7. 日本ギフト大賞に選ばれる品って新しいものが多くないですか?

日本ギフト大賞は、2015年創設

簡単にどんな賞なのか触れてみると、

日本のギフト文化の活性化やギフトの社会的・文化的水準の向上を目的として創設された賞

のようです。

日本ギフト大賞選考委員会が主催し、選考委員長には永井多恵子氏(国際演劇協会会長)が務めます。

選考対象となるギフト商品は、以下に該当するものが選ばれているようです。

1. 独自性
  差別化された価値や地域に根差す等の独自性をもったギフト
2. 創造性
  新しいギフト習慣を生み出す創造性豊かなギフト
3. 演出性
  ストーリーを重視した「コト」を贈るギフト
  結婚式にサプライズで合唱隊が歌を贈るや農作物の収穫体験を贈る等
4. 社会性
  日本のギフト文化への貢献や活性化につながるギフト

引用元:日本ギフト大賞 -> http://www.japan-gift-awards.jp/

このうち選考委員の審査の結果、表彰対象になる賞は、いくつかあり、

  • 都道府県賞(47)
  • ふるさとギフト最高賞(1)
  • 特別賞(3)

2020年の受賞は、計50点のギフトが選ばれました。(ふるさとギフト最高賞は、都道府県賞の中から選ばれます)

47clubの取り扱われる商品の多くが受賞している

色々と探ってみる前に、本当に日本ギフト大賞で受賞したギフトが「47club」で多く取り扱われているかを見て下さい。

プレスリリースの画像

上記は、2016年の日本ギフト大賞に関する、47clubのプレスリリース。
実に、都道府県賞である47品のうち35品が選ばれていることがわかります。

また、現時点(2021年2月24日時点)でも47clubの商品検索で「日本ギフト大賞」キーワードのものは、214件ヒットするなど47clubの取り扱われる商品の多くが受賞していると言えます。

日本ギフト大賞と47clubの関連性

これだけ多く取扱いがあると、どうにも穿った見方をしてしまいます。むろん、関連性がないわけもありません。

日本ギフト大賞の選考委員には、全国の地方新聞社の多くが名を連ねます。
さらに、47clubがどんな通販サイトかと言えば、全国の地方新聞社が厳選した商品を販売しているサイトです。

おそらく、選考委員である全国の地方新聞社の推薦により、日本ギフト大賞の選考対象となっていると思われますが、その元ネタが47clubの掲載商品であるのは間違いないと思います。

どうやって選考対象を選んでいるのか?

日本ギフト大賞のホームページには、選考対象の記載があります。

1. 独自性、2. 創造性、3. 演出性、4. 社会性

これらに加えて、前年度の販売実績、今後も販売が続けられるギフトが選ばれます。

さて、選考対象の基準は確かにわかりましたが、それらがどうやって選考にあがるのか不透明です。
日本ギフト大賞のHPに応募フォームのようなものや応募の案内などもありませんので、応募して書類審査等が行われることもないと思われます。

では、どうやって選考対象を絞るのかと言えば、おそらくですが誰かの推薦になるのではないでしょうか?
もちろん、日本ギフト大賞のHPに言及された記載はありませんが、少し裏付けるものがあります。

以下は、味の素が2015、2016年と2年連続して特別賞を受賞した「AGFギフト」のニュースリリースの抜粋です。

応募は「日本ギフト大賞」のオフィシャルサイト(http://www.japan-gift-awards.jp/)および選考委員からの推薦によって行われ、審査は独自性、創造性、社会性の視点に加え、売上/シェア、話題性、消費者レビュー、特色について総合的に行われ、第2回となる「日本ギフト大賞2016」では、都道府県賞47賞と、都道府県賞から「ふるさとギフト最高賞」、そのほかに「感動ギフト賞」、「100年ギフト賞」、「プレミアムギフト賞(3賞)」、「地域ハーモニー賞(2賞)」、「記念日ギフト賞」の計56賞が選出されました。

引用元:味の素AGF株式会社(https://www.agf.co.jp/company/news/2016-04-28-746.html),2016年4月28日掲載

応募は「日本ギフト大賞」のオフィシャルサイトおよび選考委員からの推薦によって行われ』とあるように、日本ギフト大賞HPと選考委員の推薦によるものというのは、あながち間違いではないようです。

しかし、日本ギフト大賞のオフィシャルサイトで、募集をしていたり何かしらの案内はありません。
それに、素朴な疑問ではありますが、日本ギフト大賞ってどこの会社が運営されているんでしょう?

日本ギフト大賞の運営元は?

主催は、という話であれば「日本ギフト大賞選考委員会」かもしれませんが、この方たちの主な業務は、選考だと思います。そうではなくて、どこの会社が運営しているのか?という話。

日本ギフト大賞のホームページも見やすく作り込まれたものですし、メディア向けの広報や授賞式の設営等の準備など仕事は多岐にわたります。
これを誰かがやらないといけないわけですが、その運営元が誰なのかという話です。

日本ギフト大賞のHPって運営元は書いていないし、問い合わせフォームなどもありません。
多くの一般のHPは、運営元や会社情報などを明かし、サービスや掲載内容の問い合わせに答えるため窓口を設けます。それがここにはありません。

とはいえ、ドメイン登録者は検索が可能ですので、調べて見ると

株式会社 地域力活性化研究室

であることがわかります。
同様に商標登録者も調べてみると、日本ギフト大賞の商標は、「株式会社 地域力活性化研究室」が取得しているので、運営会社であるのは間違いないでしょう。

では、日本ギフト大賞と地域力活性化研究室の関わりは?というと、こちらの所長である鰀目(えのめ)清一朗氏は、全国地方新聞社連合会主任研究員という肩書きを持っていることがわかります。

選考委員に地方新聞社が参加していますので、少なからず繋がりがあると言えると思います。

※鰀目清一朗氏に関しては、ググってみると色々とあるようです。ご興味のある方は調べてみてください。

ビジネスモデルや収益構造は?お金はどこから

HP制作や商標の登録、メディア向けの広報や授賞式の開催など日本ギフト大賞の運営にはお金がかかります。選考委員に名を連ねる方々も芸能人や大企業の役員です。ボランティアなはずもなく報酬が支払われているはずです。そう考えるとどうやって運営資金を賄っているのかという話です。

仮にテレビなどで放映される著名な授賞式を考えると、見る人がたくさんいるからテレビ局は放映権にお金を出すし、CM効果も見込まれるから企業は提供元となります。
加えて、賞レースであれば取り上げてもらえれば多くの人に知ってもらえるし、箔が付くし、売上も上がる(かもしれない)ので、プロダクション各社は売り込みます。どこぞのレコード大賞のように。

日本ギフト大賞に置き替えると、放映はなく、CMを打つようなこともできません。(HPに広告枠というものも存在しません)
しかし、日本ギフト大賞に選ばれれば、多くの人に知ってもらえるし、箔が付くし、売上も上がる(かもしれない)ので、メーカー各社が売り込むことはあるかもしれません。

例えば、47clubの掲載商品は、地方新聞社が厳選した逸品を集めたと謳う裏では、掲載には費用がかかります。出店するには初期費用30,000円(税別)と月額12,800円(税別)がかかるわけです。
日本ギフト大賞を受賞する少なくない商品が47clubの掲載商品であるのを考えるとメーカーが日本ギフト大賞の掲載費用を全く払っていないとは言えないと思います。

また、日本ギフト大賞の選考は、選考委員による推薦の品が対象となるので、選考委員である地方新聞社の推薦品となるために何かしらの費用は発生していないでしょうか?

もしかすると、メーカーの経理上には「プロモーション業務委託料」のような名目で、お金のやり取りが発生しているかもしれません。

日本ギフト大賞に選ばれる品って新しいものが多くないですか?

私がぱっと見て感じたのは、ほとんど知らないものばっかりだな。と。

日本のギフト大賞です。それこそ誰もが知っている老舗の味や古くから伝わる伝統工芸品といった物がないのはなぜ?むしろ多く受賞して然るべきでは?

聞いたことがないメーカーの商品を少し調べてみると去年や一昨年に販売し始めたばかりなんていうものもあったりします。
そうそう、この違和感は日本ギフト大賞の選考対象の文言にも見受けられます。

『2019年中にギフト商品・サービスとして販売実績があり、2020年以降も販売の継続を予定しており、次の4つの要件を満たしている商品・サービスを対象とします。』

なんだか回りくどくてひっかかっていたのですが、日本ギフト大賞に選ばれるような品で、前年度の販売実績や今後の販売継続予定がない品なんてありえますか?こんな注意書きをしないといけないような品が選考対象になりえるという疑念を抱かざるを得ません。


選考対象の不透明性、公表されない授賞理由や審査結果、出来レースを思わせるラインナップ。

芸能人や大企業の役員が選考委員を担当し、あたかも賞の権威性の高さを窺えさせますが、誰もが納得の日本のギフトと言えるかといえば、そうではないと感じるのは私だけではないと思います。