コンビニの店員さんとかの時給とかではなくてね。職人さんや専門家、特別な機材や技術を必要とする場合の話です。
普段受けないサービスや馴染みのない商品に出会うとその価格が高いのか安いのかって意外とわからなかったりします。でも、値段は付いていてその価格で提供されているわけですが、少し高いんじゃないのかなぁ..と思うことがあるわけ。
例えば、他にも選択肢があって別のお店をのぞいてみたりできれば、価格の比較はできたりはします。しかし、それでもその業界の中で似たような価格帯を取っている場合もあって、そもそもこの価格の妥当性はどうなんだろう・・・と思ってしまうこともあるんですよね。
この場合、私の中では、専門知識や特別な技術が必要なもの、それも一朝一夕では難しい知識や技術であれば、
その作業にかかる時間給(分給)は、1分100円で換算してみる。
もちろん、形のある商品の場合は、そのものにかかるコストも乗ってくるわけですけど、大量生産品でない場合、価格の大部分を占めるのは人件費です。特に、材料費がなんとなくわかる物に関しては、価格の妥当性を図るものさしとして使えると思っています。
身近に払っているサービス。散髪(カット)の代金
散髪(カット)代金って、ピンキリ。今では、1000円カットもあるし、美容室、理容室だとお店によって価格も変わる。でも、特別なお店でなければカットのみだと4000円くらいじゃないかな。(税込みだと4400円。税込み4000なら良心的)
私が行く美容室だとカットだけなら4000円(税込)。街の小綺麗な美容室店で、結構良心的な方だと思います。
それで、カットにどのくらい時間かけてくれているかと言えば、大体50分前後。早い時で40分くらい。(スタイリング込みの時間)このお店はシャンプーは別料金なのですが、切った髪の洗い流しはしてくれます。(これはカット代金に入っている。シャンプーなしだからこの価格でやれているのかも)
仮に、40分で終わったとすれば、40分で4,000円。時間で換算すれば、1分100円。
カットに必要なハサミなどの工具代、タオル、洗浄に使う水道代、ドライヤーの電気代、セットに使うスタイリング剤を含めると色々あったりしますが、4,000円の内訳の多くは美容師さんの人件費だと思います。
ほんとざっくり言えば、美容師さんの時間給(分給)を1分100円って考えることもできますよね。これって名の知れたカリスマ的なお店じゃなければ、このくらいの価格が当たり前すぎて高いか安いかわからないような感じもします。
では、ちょっと1000円カットのことも考えてみると、1000円カットって薄利多売。早く切って数をこなす感じ。早いといっても、10分、15分はかかっています。そう考えると、スタッフさんの時間給(分給)は、1分70~100円くらい。スタッフさんの時間給で考えると美容室や理容室と比べてもそこまで安いわけではありません。
もちろん、1000円カットと普通の美容室、理容室のサービスの差はありますし、仕上りも違ってきていると思いますが、身近なところでも人の時給に1分100円を払っているのがわかりますね。
印鑑(実印)を作ろうとした場合で考えて見る
仮に、印鑑を買おうとした場合、町中には個人で営む手彫りの印鑑屋があったりします。普段、印鑑なんて買わないと価格なんてよくわからないものですが、象牙の印鑑だったりすると結構なお値段がするものです。
銀行などの認印だったとしても、安くて一万円、高くて二万円くらい。印鑑証明等に使う実印の場合は、安くて三万円、高くて五万円くらいしたりします。
もちろん、材料の良し悪しや印鑑の大きさによっても価格は変わってくると思いますが、あまり馴染みがないと「高っ」なんて思ったりするものなんです。なんでこんなに高いんだろうって。
でも、手彫りとなると手間がかかるのはなんとなくわかります。そう思うと多くは人件費かな。じゃあ、どのくらい時間をかけて作られているのかを考えてみると、
- デザインの決定
- 印材への下書き
- 手彫り
- 微調整(平らにしたり、削りを加えたり)
- 仕上げ
認印であればある程度字面は決まった書体を用いていると思うので、デザインは決まっているようなものかもしれませんが、実印となると篆書や隷書を用いたりするので、形を決めるのにも時間を要すると思います。(簡単な名字だったらまた違うのかもしれませんけど)加えて、印材への下書きや実際の手彫りもミスは許されないので、慎重な作業になる。
この他、手作業となると他にも細々とした工程はきっとあると思いますが、大雑把に見立ててもこれくらい。だとすると、手慣れた職人さんが製作するにしても、最低3時間くらいは必要とするのでは?(勝手な憶測です)
もし、実印を作るとして、製作時間に3時間かかるとしたら、職人さんの人件費が必要です。人件費を1分100円と考えれば、
3時間=180分=18,000円
材料費を除いた人件費だけでもこれだけかかりそうだ。という推測ができます。いやいや、職人の人件費が高すぎるよ、1分100円はやりすぎだよ。って思ったら、1分50円でも60円で計算しなおせばOK。要するに、その職人さんが費やす時間にいくら出せるかという話にもつながるので、そのラインを判断すればいいわけですね。
また、この人件費に加えて材料費がその商品の正味の価格になると思いますので、手彫りの実印が安くて三万円するのって妥当だなって思います。(私は)
それに、勝手に製作時間を3時間と考えてしまっていますが、実際はもっとかかる、4時間は最低必要なんてなったら人件費もそれだけかかるわけで。
いずれにせよ高いか安いかの判断の、一定のものさしにはなるんじゃないかなって思っています。
IT系でも月単価100万円あれば、1分100円
IT系と言っても月額単価で考えるのってよくあるのはSES。エンジニア派遣、客先常駐、請負契約、準委任契約・・・まあ、色々と呼び名はあると思いますが。IT業界では、1人のエンジニアを月額おいくらって決めて、客の仕事を請け負うって仕事があります。
今ではだいぶ月額単価は抑えられてしまったと思いますが、昔は、経験5、6年の20代後半の若手でも月額単価80万円くらいってそこそこありました。(ちょっとした中小企業のエンジニアでも)
それで、週休二日で稼働が20日間の場合、月額80万円なら1日40,000円。8時間労働であれば、1時間5,000円。1分83円。月額96万円なら1日48,000円。8時間労働であれば、1時間6,000円。1分100円。
私の経験だと、それなりに優秀でそれなりの責任を負うポジションを担当する場合、30前半のエンジニアであれば月額単価100万円というのは、決して珍しいことではありませんでした。だからかもしれませんが、1分100円って高いように思えますが、結構あるもんなんだよなぁと思います。
ちなみに、月額単価100万円の仕事をこなすエンジニアが月収どのくらいもらっているかと言えば、30~50万円だと思います。これも年齢給的な考え方の企業が多いので、若ければ若い程月収が抑えられていることが多かったです。(今は成果主義的な給料の反映になった方だとは思いますが)
以上になります。1分100円って高いような気がしますが、専門知識や技術を伴うお仕事の場合、高すぎることはないのかもしれません。サービスや商品の価格の判断に使ってみるのもいいかも。