先日、集荷に来てもらったヤ○トの配達員に言われたんですよ。
「下積厳禁シールを貼っても、上に乗ることありますよ」
って。あれ?って思ってついでに、
「天地無用もひっくり返ることがあるってことですか?」
って聞いてみると、
「気を付けてはいますからそれは大丈夫ですけど。見落としもあるかもしれないので梱包をしっかりしておくのがいいと思いますよ」
この時は一応、下積厳禁シールは貼ってもらいましたが、コンテナに積み込む関係で大きな物は下の方に積まれやすいとのことでした。(頼んだ荷物は140サイズ)
まあ、荷物を放り投げるように積み込んでる様子を動画で見たこともありますからね。薄々は、てきとーなんだろうなとは思ってましたけど。まさか、配達員から釘を刺されるとは思ってもみませんでした。いやでも、じゃああの宅配シールってなんで貼ってるんだ?って思ってしまいますね。
目次
- 配送各社の宅配シールの種類
- 宅配シールなんて見てねー、見るヒマなんてないんだよ
- だって、荷物の仕分けなんてバイトだよ?
- 上積、下積厳禁が全ての荷物に貼ってあったら荷台にちょっとしか積めない
- 天地無用のシールより重要。伝票を貼る場所
- 宅配シールって無料。追加料金払ってもないし
- もし、壊れてしまっていたらどうなる?
- 梱包大事。大きさや重さに応じた強度の梱包材で
配送各社の宅配シールの種類
郵便局、ヤマト運輸、佐川急便で扱っている宅配シールの種類が以下の通り。
郵便局 | ヤマト | 佐川 | |
---|---|---|---|
下積厳禁 | ○ | ○ | なし |
天地無用 | ○ | ○ | ○ |
ナマモノ | ○ | ○ | なし |
精密機器 | ○ | ○ | ○※1 |
ワレモノ | ○ | ○※2 | ○※3 |
※1 佐川急便は「取扱注意」のシール。※2 ヤマトは「ガラス・ビン・セトモノ」のシール。※3 佐川急便は「ビン・ガラス・陶器」のシール。
この他、時間帯指定やクール便用のシール、貴重品サービスのシールなどがあります。
宅配シールなんて見てねー、見るヒマなんてないんだよ
利用者側からすると、宅配シールを貼ったし、丁寧に扱ってくれるだろう。って思うところです。でも、宅配業者の現場からすると、大量の荷物が配送所に運ばれてきます。全国各地に配送するために荷下ろし、仕分け、積み込み作業に追われます。その中で、一つ一つの荷物のシールを確認して、
「この荷物は、下積厳禁と天地無用だから最後に積み込みをしよう」
そうはならないですよね。ダンボールは再利用されることも多いので、他社のシールの貼り残しもあります。それを一つずつ確認しながら判断して作業してたら時間がいくらあっても足りません。それに、宅配シールを確認して積み込み作業をしないといけないルールもありませんから。効率よくボンボンとコンテナや荷台に詰め込むだけです。
忙しいからと言ってしまえばそれまでですけど、個人間売買が増えたり、コロナ禍で通販の利用が増えたり、輸送量は年々増えているとニュースで聞かれますからね。
だって、荷物の仕分けなんてバイトだよ?
それから、ほとんどの配送会社がそうだと思いますが、荷物の仕分け作業ってアルバイトですよね?
単純作業は、時給の安いバイトちゃんが現場の社員の指示の元、馬車馬のごとく働いていると思います。ちょっとでもモタモタしようもんなら「おい、新人!なにやってんだ!」なんて怒号が聞こえてきそう。イメージですけどね。でも、当たらずとも遠からず?とにかく物量こなすのに精一杯で軽い荷物ならポンポン放り投げて作業してそうです。
バイトちゃんが、安心・安全をモットーに、荷物と一緒に笑顔を届ける。なんて思って作業しているとは思えないんですよ。
上積、下積厳禁が全ての荷物に貼ってあったら荷台にちょっとしか積めない
現実問題、全ての荷物が上積、下積厳禁だった場合、コンテナや荷台にほんのちょっとしか荷物積み込めないじゃないですか。
貨物のコンテナやトラックの荷台を考えても、上に荷物を積んでいかないと隙間だらけで輸送効率が悪すぎます。大きな荷物や重い荷物は、下の方に積んでいって土台みたいにして、その上に隙間なく効率よく埋めていくとたくさん積み込める。これって誰がどう考えてもそうですから。
私も配達員に言われたのは「この荷物より重いのは上にのらないと思いますが、大きな荷物だから下になると思いますよ」って。(下積厳禁シール貼っていても)
となると、大きな荷物や重たい荷物を送る場合は、上に荷物がのるのを覚悟して、それなりの強度のダンボールや補強を施してあげないと危ないってわけですね。
天地無用のシールより重要。伝票を貼る場所
天地無用のことで配達員に聞いたところだと、
「伝票のラベルを上(天面)に必ず貼ってください」
とのことでした。はっきりとは言ってませんでしたけど、天地無用のシールは見てないけど、伝票ラベルはちゃんと見ると。当たり前の話なんですけど、伝票ラベルの内容を見ないとどこに運べばいいのか、何が入っているのかも確認できないですからね。作業効率的にもどこに貼ってあるのか探す必要がないように、伝票ラベルが上になるように荷積みするってことでした。
側面に貼る人もいるでしょうけど、荷物を逆さにしたくないなら上(天面)に貼るのがいいんだってさ。
宅配シールって無料。追加料金払ってもないし
これも然り。宅配シールって無料なんですよ。追加料金を払うわけでもないし、貼ってあるからどうこうするってルールや規約もないわけで。
宅配シールが貼ってあろうがなかろうが、荷物を運ぶ料金って一緒です。だから、宅配シールが貼ってある荷物を特別扱いして、貼ってない荷物はてきとーに。なんてことはありません。平等に扱われて当然だと思います。
無料で特別扱いしてもらえるならみんな貼りたがってしまいます。中身ぐしゃぐしゃで届くなんて悲惨ですからね。
もし、壊れてしまっていたらどうなる?
ちょっと思ったのは、宅配シールを無視して逆さにしたり上に物を置いたりしてもいいけど、壊れてたら責任とってね。って。
利用者側からしたら、壊れたら困るからワレモノ注意とか下積厳禁をお伝えしているのに、それを無視して配達して壊れたら、あんたらの責任でしょうが!ってこと。
でも、あくまで配送会社が無償で用意してくれてるだけのものですし、宅配シールが貼ってあるから必ず守らないといけないルールや規約もありません。やはり、荷物の減失、き損は、配送各社が定める約款に則って賠償責任を負うところです。
例えば、郵便局のゆうパック約款には、以下のようなことが書かれています。
(責任と挙証)第23条 当社は、自己又は使用人その他運送のために使用した者が、荷物の受取り、引渡し、保管、運送その他の荷物の運送に関して当社が行うべき取扱いに関し注意を怠らなかったことを証明しない限り、荷物の滅失、き損若しくは遅延又は料金等役務の不取扱いについて損害賠償の責任を負います。
(引受制限荷物等に関する特則)第25条 3 壊れやすいもの、変質又は腐敗しやすいもの等運送上の特段の注意を要する荷物については、荷送人がその旨を送り状に記載せず、かつ、当社がその旨を知らなかった場合は、当社は、運送上の特段の注意を払わなかったことにより生じた荷物の滅失若しくはき損又は料金等役務の不取扱いについて、損害賠償の責任を負いません。
郵便局HP「各種約款」
これらの内容は抜粋になりますが、他の配送各社の約款にもほとんど同じ内容が書かれています。
ざっくり言えば、配送会社の不手際で荷物が壊れたら弁償するし、壊れやすいものなどは送り状に記載があって把握をしていたら、損害賠償の責任を負う(場合もある)。おそらく、機械物などの壊れやすいものの扱いは、その時々の状況によると思います。丁寧に取り扱っていたとしても壊れる物は壊れますからね。それを全部配送会社が責任を負ってたら経営が成り立たないでしょうし。
ただ、約款を見る限りだと、宅配シールに言及することはなく、むしろ送り状に記載されているかが大事なようです。
梱包大事。大きさや重さに応じた強度の梱包材で
宅配シールを貼るより、梱包をしっかりしておくべき。
荷物を大事に扱ってもらうことを考えるより、ある程度雑な扱いを受けても耐えられるくらいの梱包を心がける。たまに、通販していると紙袋みたいなので送ってくる会社もあるけど、押しつぶされてたんじゃ・・・なんて思うこともありますので。コスト削減もわかるけど、配送会社の努力にすがるのも限度がありそうだと思いました。