賃貸借契約書の協議や契約外事項の条項はとても大事。ないと大変なことになります

 賃貸借契約書に「協議」や「契約外事項」の条項はありますか?

私が以前住んでいた賃貸マンションでは、「協議」の事項がありました。

甲及び乙は、本契約書に定めがない事項及び本契約書の条項の解釈について疑義が生じた場合は、民法その他の法令及び慣行に従い、誠意をもって協議し、解決するものとする。

そして転勤の為、賃貸物件を探している際に、「協議」(契約外事項)の条項のない賃貸借契約書に出会います。

この条項に関して、あまり意識していなかったんですが・・・。

私の体験談とこの協議(契約外事項)の条項がない場合にどうなるか、宅地建物取引業協会に問い合わせた結果を記載いたします。



ウッドデッキが勝手に取り壊された!

私が社会人になってから初めて一人暮らししていた時の話です。

そこは、賃貸アパートだったのですが、

  • 1階
  • 1LDK
  • 駅近
  • 1.5帖程のウッドデッキ付き

こんな物件で、庭というかウッドデッキが付いており、それなりの広さ。ちょっとしたテーブルなんか置いてお茶でもできるようなところ。

とはいえ、目の前は駐車場でしたが。。

住み始めてから2年近く経った際、管理会社からウッドデッキを取り壊す連絡が来ます。

「ウッドデッキが老朽化してきて事故の危険性がある為、取り壊しを行います」

え!?なくなるの?

私としては、ウッドデッキ自体、洗濯物や布団を干すのに使っていただけだった(意外と重宝してた)のですが、ウッドデッキを含めての物件だと思ってたので、勝手に取り壊して、新たに取り付けてもくれないなんておかしい。と思います。

ちょうど住み始めて2年近くだったこともあり、ウッドデッキを取り壊されてしまったので、家賃の減額交渉をしてみました。

(私)「元々ついていたウッドデッキがなくなってしまったので、次の契約から家賃を下げてもらえませんか?」

(管理会社)「オーナーに確認してみます」

しばらくして・・・

(管理会社)「少し前に窓ガラスを2重の物に取り替えたりしているので、家賃は下げられない。とのことでした」

(私)「窓ガラスの取り替えは、全戸でやってますよね?ウッドデッキを取り壊されたのは、私のところだけなんですけど?」

(管理会社)「どうしても気に入らないなら、契約の更新をしていただかなくても結構ですので・・・」

交渉の余地なしくらいの感じで、管理会社からあらためてオーナーに確認してもらえることもありませんでした。

こちらの物件では、私の記憶だと「協議」(契約外事項)の条項はなかったと思います。

全く「協議」されていませんよね。

私としてはサービスレベルが落ちているのに、家賃の減額もしてくれない。かなり納得のいかない状況だったのですが、当時ものすごく仕事が忙しく、これ以上交渉している余力も引っ越しをする時間もありませんでした。
それに、賃貸物件のこのようなケースに詳しい知識も持ち合わせていなかったので、諦めることにした思い出があります。

宅地建物取引業協会に問合せてみた

こちらは最近の話。

宅地建物取引業協会には、こちらの件で色々と問合せをしています。この際に合わせて聞いた内容です。

やり取りを少し省略すると以下のようなものです。

(私)「賃貸借契約書に設備がなかったらどうなりますか?」

(協会)「設備が壊れても修理してもらえないことも考えられます」

(協会)「とはいえ、協議などの条項があると思うのですが、契約書に記載がないものについては、協議して決めるようになっていると思うので、話し合いをして修理をしてもらうこともできると思いますよ」

(私)「その協議の条項もなかったんですよね」

(協会)「えっ・・そうなんですか・・・大抵は設けてあるんですけどね。」

協会もビックリです。

協会の担当の方の話では、協議の条項がなければ、設備の修理以外のことでも協議が行われず、一方的に物事を決められてしまうこともあり得る。とのことでした。もちろん最悪のケースの話ですが。

賃貸借契約書に「協議」の条項を追加してもらうよう貸主に依頼するも断られる

こちらも最近物件を探していた際の話。

申込をして、審査が通り、いざ契約に進んだ段階で、賃貸借契約書に「協議」の条項がないことがわかったので、「協議」の条項を追加していただくよう、貸主に依頼しました。

貸主からは、追加する必要性を感じない。とのことで追加を拒否されます。
こちらからは、条項を追加しないまでも、特約事項に協議を行う旨を記載して欲しい。とお願いしましたが、これもダメでした。

宅地建物取引業協会の方からは、契約はしない方がいいと言われる

設備の記載もないし、協議の条項もない、賃貸借契約書に盛り込んでもくれないようなら、後々トラブルになる可能性が高いので、契約しないことを勧められました。
もちろん、賃貸の契約はキャンセルしました。


協議」(契約外事項)の条項がないことで、私のケースのように一方的に設備を外されたり、交渉にも応じてくれないこともあり得ます。

もし、契約を結ぼうとしている賃貸借契約書に「協議」(契約外事項)がないようでしたら、貸主に条項の追加や特約事項の追記を依頼した方が良いと思います。

依頼をしても応じてくれない場合は、不利なこともあるのを重々理解の上、契約を交わすか検討をした方がいいと思います。